オバマ大統領の4・5プラハ演説
2009-04-06


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4月6日、NATO(北大西洋条約機構)が創設60周年の首脳会議に出席するためチェコを訪問中のバラク・オバマ米大統領は、首都プラハのフラッチャニ広場で演説し、「核兵器のない世界」の実現に向けて世界をけん引してゆく決意を示した。
米国の歴代政権ははヒロシマ・ナガサキの原爆投下を日本の無謀な戦争を止めるための必要悪だったとして正当化し、責任を認めていない。
今回のオバマ演説の内容はその意味では画期的である。核兵器の先制使用戦略を公にし、使い勝手のよい小型核兵器の開発をめざし、国際政治の場では核軍縮を求める声に敵対し続けた前ブッシュ政権の路線とは大きく異なることは確かだ。
過剰な期待は禁物かもしれないが、核兵器をめぐる世界の流れを変える可能性があり、全体がよい方向に向かっていくための転換点となる可能性はあるかも知れない。
内容の分析については別途行なう予定だが、とりあえず演説の内容をupする。検索すると先に出るからかもしれないがasahi.comの「演説詳報」をもとにした論評が多いようだがこれは「主要部分」。米大使館のサイトに全訳がのっている。
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アメリカ合衆国大統領バラク・フセイン・オバマのプラハにおける演説(全訳)

         2009年4月5日、於:チェコ共和国プラハ・フラッチャニ広場

 温かい歓迎をありがとうございます。プラハの皆さん、ありがとうございます。そしてチェコ共和国の皆さん、ありがとうございます。本日私は、ヨーロッパの中心にあるこの素晴らしい都市の中心部に皆さんと共に立つことを誇りに思います。また、私の前任者の1人の表現を借りれば、ミシェル・オバマをプラハに連れてきた男であることを誇りに思います。
 クラウス大統領、トポラーネク首相をはじめとする、ご臨席の政府要人の皆さん、温かいおもてなしに感謝します。そしてチェコ共和国民の皆さんの米国への友情に、お礼の言葉を申し上げます。
 私は、シカゴで長年暮らす間に、チェコの人たちが陽気な、楽しい友人であることを知るようになりました。私の後ろには、チェコ国民の英雄トーマス・マサリク大統領の銅像があります。1918年に、米国がチェコの独立を支援することを誓約した後、マサリク大統領はシカゴで、10万人以上と推定される聴衆を前に演説をしました。私はマサリク大統領の記録に到達することはできないと思いますが、シカゴからプラハへ、彼の足跡をたどることを光栄に思います。
 1000年以上にわたり、プラハは、世界のいかなる都市とも異なる、独自の道を歩んできました。皆さんは、戦争も平和も体験してきました。いくつもの帝国の盛衰を目の当たりにしてきました。そして、芸術と科学、政治と文学の世界で、革命の先頭に立ってきました。そうした中で、プラハの人々は、一貫して自らの道を追求し、自らの運命を切り開くことを主張してきました。そして、この古い歴史と若さを合わせ持つ「黄金の都」は、皆さんの不屈の精神を表す生きた記念碑となっています。
 私が生まれたころ、世界は分裂しており、私たちの国は今とは大きく異なる状況に直面していました。当時、私のような人間がいつの日か米国大統領になると予想する人は、ほとんどいませんでした。米国大統領がいつの日かこのようにプラハの聴衆を前に話をすることができるようになると予想する人は、ほとんどいませんでした。そして、チェコ共和国が自由な国となり、北大西洋条約機構(NATO)の一員となり、統一されたヨーロッパを指導する立場になると予想する人はほとんどいませんでした。そのような考えは、夢のような話として片付けられたでしょう。
 私たちが今日ここにいるのは、世界は変わることができないという声を意に介さなかった大勢の人々のおかげです。

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