沖縄基地問題検討委員会への提案
2010-03-08


禺画像]
仮に、在沖海兵隊の全部が撤退した場合にも沖縄県には、8000人以上の陸海空軍が存在し、極東最大の空軍基地である嘉手納飛行場や、原子力潜水艦が寄港するホワイトビーチ地区等も残る。海兵隊の撤退で地域の安全に大きな問題が生じるとは考えられない。  日本国外に撤退する場合の海兵隊部隊の移転先は米国政府が決めることだが、例えばグアム島やテニアン島などが候補地となりうるだろう。「沖縄からグアム及び北マリアナ・テニアンへの海兵隊移転の環境影響評価/海外環境影響評価書ドラフト」(米海軍・米グアム統合計画事務所/09年11月)では、グアムに在沖海兵隊全部と同規模の部隊を受け入れることが検討されている。グアムのカマチョ知事は「現行計画を超える兵力の移転は受け入れがたい」と述べたが、これはインフラ整備が追いつかないことが主な理由であり、道路や電気など社会資本整備で協力することが出来れば十分に交渉の余地があると考えられる。テニアン島は現行計画(グアム統合軍事開発計画/2006年7月)では訓練地として使用する予定とされているが、テニアン市のデラクルス市長は部隊自身の受け入れも可能としている。北マリアナのフィティアル知事も歓迎を表明しており、テニアンをはじめとした北マリアナ諸島への移転も現実的な選択肢である。
 すでに日米両政府間の「再編実施のための日米のロードマップ」(2006年5月)と「在沖縄海兵隊のグアム移転に係る協定」(2009年5月)に基づき、海兵隊の相当部分の移転の準備がすすんでいるが、この規模を拡大し実質的に全部が日本国外に移転することをまず第一に提案したい。この一部をテニアンなどの北マリアナ諸島に移転することも考えられる。この際、グアムへの移転を支援する現行の日米政府による枠組みを活用し、追加的な支援策を検討する必要がある。

@在沖縄海兵隊の全部が国外に撤退する。
A日本政府がグアムの受け入れ体制の整備を促進するために行なっている支援策について追加的な措置を実施する。
Bテニアン等の訓練場整備費用、施設整備費用についても同様の支援策を実施する。
C受け入れ地のインフラ整備や地域振興等の民生面での協力を行なう。
D高速輸送船の提供と運用など、日本側が海兵隊訓練移転のためのインフラを提供する。
E返還された施設・区域の一部は日本政府の責任で使用もしくは管理し、必要に応じて米軍の訓練・補給のための共同利用、緊急時の一時利用を可能とする。
F「抑止力」の観点から返還される施設・区域(キャンプ・シュワーブを想定)の一部に日本の島嶼防衛部隊(陸自西部方面普通科連隊等)の移駐を検討する。

2、B案: グアムなどをキーステーションとしてローテーション部隊を日本本土で受け入れ
 沖縄駐留の海兵隊は、家族連れで2〜3年の長期滞在するPCS(Permanent Change of Station)と、原則単身で赴任する6ヵ月ローテーションのUDP(Unit Deployment Program)の2タイプがある。PCSの兵員の多くは2006年の合意に基づいてグアムへ移転することが決まっており、現行案のまま実施した場合でも在沖縄海兵隊の多くはUDPとなると想定される。
 UDPの隊員は6ヵ月ごとのローテーションで運用され、沖縄に着任した海兵隊も沖縄を始点にオーストラリア、フィリピン、タイ、韓国などの訓練場や世界中の任務地へ派遣されており、必ずしも沖縄に常駐しているわけでもない。
 このローテーションの起点(キーステーション)をグアムなど日本国外に移したうえ、定期的な巡回パターンから沖縄を外し訓練等は日本本土で受け入れることを提案したい。普天間飛行場は閉鎖され、沖縄の海兵隊施設は全面返還となるが、代わりに日本立ち寄り時の訓練や補給の拠点となる施設・区域を日本本土に提供し、必要に応じて演習場等の一時利用も可能とする。

@第3海兵機動展開部隊(VMEF)のUDPの起点を国外(グアム)に移転する。
AVMEFのUDPの日本における展開地点を沖縄から日本本土に変更する。
BUDPの展開時に利用する滞在施設等を日本本土で提供し、必要に応じて演習場の一時利用を可能とする。

続きを読む
戻る
[つれづれ]
[政策]
[社民党]
[資料庫]

コメント(全0件)
コメントをする


記事を書く
powered by ASAHIネット